「すべての困難と迷信と偽善からか解放されたその時はじめて人は教育を受けたことになる」と考えるニイルは、既成の道徳の強制によってできた超自我からの子供の解放を図り、精神分析の技法を応用して「プライベート・レッスン」と称する分析や、盗癖の子どもに褒美を与える、子どもと一緒に窓ガラスを割るなどの大胆な治療を行う。同時に子ども白身による価値観の形成のために自己決定の生活をもっとも重視し、出欠自由の授業、子どもと大人が対等の全校集会、互いにファーストネームで呼び合う関係などを基本方針とした。1930年以降、霜田静志が多数翻訳して日本へ紹介したことにより広く知られるようになった。
【新愛育心理研究会・会報No.62・堀真一郎氏資料より】
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